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2008年12月25日(木) 20時48分

<JFE>岡山・倉敷の高炉1基休止へ 自動車減産で毎日新聞

 鉄鋼大手JFEスチールは25日、西日本製鉄所の倉敷地区(岡山県倉敷市)にある高炉1基について、10年をめどに予定していた改修工事を約1年前倒しし、来年1月中旬から稼働を休止すると発表した。主要供給先である自動車業界の需要が急減しているためで、自動車メーカーの減産の影響が素材業界にも広がってきた。高炉の改修は通常3カ月程度で終わるが再稼働時期は未定で、需要が回復するまで再稼働は先送りされる見通し。

 今回の景気悪化で、鉄鋼大手が高炉休止を決めたのは初めて。

 JFEが休止するのは、倉敷地区で90年6月に稼働開始した第3高炉。すでに稼働開始から約20年たつため、10年ごろから高炉内の耐火レンガの張り替えなど、大規模な改修工事を実施する予定だったが、需要の急激な落ち込みを受けて改修工事を前倒しする。

 高炉は1000度を超える高温で鉄鉱石から鉄を取り出す。炉内で溶けた鉄が冷えて固まると再稼働は難しいため、鉄鋼メーカーは休止を極力避けている。JFEもこれまでは、原料の鉄鉱石の投入量を減らしたり、高炉に送る風の量を調整して生産量を落としてきた。

 しかし、需要減は予想以上に激しく、JFEは同日、今年度下期(10月〜09年3月)の粗鋼の減産を約400万トンにすると発表。今年度の粗鋼生産が07年度(3052万トン)より1割強少ない約2670万トンに落ち込む見通しになり、JFEは「高炉を止めた方が生産効率が向上する」と判断した。【森有正】

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