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2008年12月25日(木) 20時37分

心の病による休職教員、過去最多4995人…07年度読売新聞

 2007年度にうつ病などの心の病で休職した公立学校の教員は、前年度より320人増えて過去最悪の4995人にのぼることが25日、文部科学省のまとめで分かった。

 心の病による休職者はこれで15年連続の増加。教員の間にじわじわと広がる心の病に、文科省は危機感を募らせている。

 文科省が公立の小中高校の教員91万6000人余りを対象に調べたところ、昨年度中に病気で休職したのは、全教員の0・88%にあたる8069人だった。このうち、心の病が原因だったのは4995人。病気休職中の教員の6割を占めた。

 心の病の教員は、調査項目に加わった1979年度は664人だった。ここ2年間は伸び率が鈍化しているが、94年度以降は毎年、数百人単位で増加している。

 こうした傾向について、文科省は、〈1〉部活動の指導や報告書の作成に追われて多忙〈2〉教員の立場が昔ほど強くなくなった〈3〉同僚との人間関係の希薄さ−−などが原因だと分析する。同省が今年10月、外部に委託してまとめた報告では、「気持ちがしずむ」などのうつ病の症状を訴える教員の割合は一般企業の2・5倍だった。

 一方、わいせつ行為や飲酒運転などで懲戒処分となった教員は、1万2887人だった。北海道で今年1月に起きた時限ストによる処分者1万1899人を除くと988人で、7年ぶりに1000人を下回った。わいせつ行為で懲戒処分などを受けた教員は164人(前年度比26人減)。教え子や卒業生が被害者だったケースが45%を占めた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081225-00000054-yom-soci