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2008年12月25日(木) 20時28分

旧国鉄アスベスト訴訟、解決金5440万円で初の和解読売新聞

 旧国鉄やJR貨物で働いていた元職員2人がアスベスト(石綿)による中皮腫で死亡したことを巡り、遺族が旧国鉄の債務などを引き継いだ「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」などを相手取り、慰謝料などを求めていた訴訟は25日、同機構などが解決金など計約5440万円を支払うことなどを条件に横浜地裁(吉田健司裁判長)で和解が成立した。

 旧国鉄を巡るアスベスト訴訟で和解が成立したのは初めて。

 訴えていたのは、旧国鉄大船工場(神奈川県鎌倉市)で1963年から働き、2004年12月に死亡した加藤進さん(当時61歳)の遺族1人と、63年から00年まで旧国鉄新鶴見操車場(川崎市幸区)やJR貨物で働き、今年1月に死亡した小林忠美さん(当時63歳)の遺族3人。

 和解条項では、〈1〉同機構などが小林さんと加藤さんに哀悼の意を表す〈2〉同機構とJR貨物が社員に対し、アスベスト健康診断の周知に努める−−なども盛り込まれた。

 和解後の記者会見で、古川武志弁護士は「双方の主張を足して2で割る内容ではなく、全面勝訴に近い内容だ」と述べた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081225-00000052-yom-soci