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2008年12月25日(木) 17時03分

クリスマス・メッセージを装ったマルウェアが今年も出現Computerworld.jp

 今年も、セキュリティ研究者らが、クリスマスの祝賀メッセージなどを装って広がるマルウェアへの注意を呼びかけている。昨年末以降大きな問題となっているトロイの木馬「Storm」の手口を真似たものと見られている。

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 ベトナムにあるハノイ工科大学Bach Khoa Internetwork Security Centerの研究者は、「XmasStorm」と名付けた新種のマルウェアが、クリスマスなどにかこつけたスパム・メールを通じて広がりつつあるとの警告を12月14日に出した。

 このスパム・メッセージは、「Merry Xmas!」「Merry Christmas card for you!」などの件名が付けられており、電子クリスマス・カード・サービスなどを行っているとされるWebサイトへのリンクが含まれている。しかしこのサイトには、アクセスしたPCをハイジャックするマルウェアが仕込まれており、対策が不十分なPCにボットをインストールして、攻撃者の制御下に置こうと待ちかまえている。

 Back Khoaアプリケーション・セキュリティ・グループの責任者グエン・ミン・ドゥク(Nguyen Minh Duc)氏によると、XmasStormは元々中国で開発されたものだという。先月から攻撃者たちは、「superchristmasday.com」や「funnychristmasguide.com」など、このマルウェアに関係する75以上のドメイン名でサイトを登録しているという。ドメイン名登録情報検索サービス(WHOIS)で調べたところ、これらのドメインは、それぞれ12月1日と19日に中国内のアドレスに登録されたことが判明した。

 Nguyen氏は、「これまでもクリスマスや新年などの特別な時期には、正規の電子カードを装って悪意のあるコードを仕込み、ウイルスを散布する攻撃が行われていた。この時期は、知らない相手から送られてきた電子メールは受け取らない(閲覧しない)ようにしたほうがよい」と述べている。

 米国サンディエゴに支社のあるスロバキアのセキュリティ会社ESET LLCの研究者も、同じような攻撃の事例を報告している。ESETの研究者ピエールマーク・ビューロー(Pierre-Marc Bureau)氏は12月22日、「ecard.exe」というファイルをホスティングしているWebサイトに誘導しようとするスパム・メールが急増しているという警告を出した。(Nuwar Back to Electronic Cards|ESET Threat Blog)

(Gregg Keizer/Computerworld米国版)

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