記事登録
2008年12月25日(木) 09時58分

外国人労働者、不安な聖夜中国新聞

 マツダ協力企業などの自動車関連工場が集まる広島県海田町と広島市安芸区で、派遣労働者として働いてきたブラジル、ペルー人の多くが24日で職場を去った。「次の仕事が見つからない、帰国費用もない」。大半が今後の見通しも立たないまま不安なクリスマスを迎えた。

 海田町と安芸区には合わせて約1200人のブラジル、ペルー人が暮らし、少なくとも300人を超える人たちが派遣契約の打ち切りなどで失業する見通し。減産で年末年始の休業を早めた工場もあり、24日が最後の勤務となった人が多い。

 ブラジルから6年前に来日した安芸区の日系2世ヨシミ・キクチさん(48)はこの日、職場に別れを告げた後、ブラジル人が設立した海田町のプロテスタント教会と併設の食料品店に立ち寄った。「私もクビになった」。店内では深刻な会話が飛び交っていた。教会では25日、クリスマス集会がある。参加予定の約20人のうち7割が失業するという。

 海田町や広島東公共職業安定所は年明けにも海田町で外国人向けの就職、雇用保険などの相談会を開く。町は「母語による相談や情報提供に力を入れ、まずは不安を解消したい」としている。

【写真説明】「帰国費用をどう確保しようか」。失業し、深刻な会話を交わす日系ブラジル人たち(24日夜、広島県海田町のブラジル食料品店)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812250274.html