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2008年12月25日(木) 09時58分

地裁通知で元妻の住所分かる中国新聞

 山口地裁が送った書類をもとに元妻の避難先に押しかけ、ドメスティック・バイオレンス(DV)防止法違反罪に問われた山口県内の元夫(33)の判決公判が24日あり、同地裁は懲役10月、保護観察付き執行猶予4年(求刑懲役10月)を言い渡した。DV被害に詳しい専門家らは「身の危険に直結する」と裁判所の無神経な対応を批判している。

 元夫は離婚後の8月、同地裁支部から、元妻の住居への接近や電子メールなどを6カ月間禁止する保護命令を受けた。ところが9月10日から8日間に計14回携帯電話でメールを送り、10月4日には元妻の避難先に押しかけた。ドアチェーンがあったため、室内には入れなかった。

 元夫は公判で「山口地裁から届いた共有財産を競売する通知で、元妻の新住所が分かった」と証言。直後に押しかけていた。

 お茶の水女子大大学院の戒能民江教授(ジェンダー学)は「保護命令をした裁判所が秘匿情報を知らせたわけで論外。裁判所の所轄、部署が違っても被害者の安全確保と秘密保持への配慮は当然で、法の趣旨に違反する」と批判する。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812250286.html