中国電力の上関原発計画で、山口県は24日、用地造成に向けた同社の林地開発を許可した。10月の海面埋め立て免許交付に続く決定に、あらめて反対派から憤りの声が上がった。
原発に反対する上関町民の会の山戸貞夫事務局長は「最悪の事態が起きたとき、県に責任が取れるのか。極めて重い決断をしている認識があるとは思えない」と語気を強めた。
ハヤブサなど予定地周辺では陸海の両域で希少生物が確認されている。日本生態学会の会員で県立大の安渓遊地教授は「開発は海の健全性を損ない、生物に大きなダメージを与える」と訴えた。
主な用地造成手続きは、「魚つき保安林」の指定解除が残る程度。中電は来春にも造成に着手する予定。中電上関調査事務所の和森康修所長は「安全確保と環境保全に万全を期し、安全で安心な原発実現を目指す」などの談話を発表した。