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2008年12月25日(木) 09時58分

「チボリは事業自体が失敗」中国新聞

 倉敷チボリ公園(倉敷市)事業を検証してきた岡山県設置の有識者委員会(委員長・中村良平岡山大大学院教授)は24日、石井正弘知事に報告書を提出した。公共性と収益性を追う事業構造自体の失敗に加え、事業転換の機会も逃してきたことなどを指摘した。

 報告書は、誘致・構想▽準備・立ち上げ▽再建模索▽事業整理—の4期に分けた各論と総括などで構成。誘致・構想では、事業主体をめぐる県と岡山市の意思疎通不足などを問題点に挙げた。

 準備・立ち上げでは、1994年の阪急電鉄(大阪市)の事業撤退時に「県も撤退も視野に入れた検討をするべきだった」と強調した。

 公園を運営する県出資の第三セクター、チボリ・ジャパン社の再建模索では、入園者が減る中、県が追加の財政支援をして進めた経営改善化計画時の事業予測を「かなり楽観的」と分析。

 事業整理では、チボリ・インターナショナル社との契約更新交渉での責任の所在の不明確さなどを問題視。総括でも閉園に至るまでの知事の県民への説明責任の欠如を指摘している。

【写真説明】石井知事(左)に検証結果の説明をする中村委員長

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812250253.html