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2008年12月24日(水) 00時00分

家裁書記官4000万円詐取か 成年後見申請の資産家から中国新聞

 振り込め詐欺に使われ凍結された口座から約四百万円を送金させたとして、埼玉県警が偽造有印私文書行使容疑で逮捕した京都家裁書記官広田照彦ひろた・てるひこ容疑者(36)が、認知症のため成年後見制度を申請した資産家の遺産を差し押さえるよう求める文書を偽造し、四千万円前後をだまし取った疑いがあることが二十三日、同県警の調べで分かった。

 県警は、広田容疑者が振り込め詐欺の凍結口座から送金させる手法以外にも、家裁書記官の立場を悪用した手口で現金詐取を繰り返していたとみて調べている。

 捜査関係者によると、広田容疑者は戸籍を不正取得した架空の「馬場ばんば」という名義で、資産家に対し多額の債権があるように装った裁判所の文書を作成。馬場名義の差し押さえ申立書を偽造し、遺産全額を差し押さえたとされる。四千万円前後の遺産は、馬場名義の口座に移されたという。

 成年後見制度に基づき資産家の代理人を選定するよう京都家裁に申し立てがあった際に、広田容疑者が手続きを担当したとみられる。

 成年後見制度は、認知症などで判断能力が不十分な人の財産管理などを、代理人が行う制度。本人や四親等以内の親族らの申し立てに基づき家庭裁判所が代理人を選任する「法定後見」と、本人に判断能力があるうちに任意の後見人を選ぶ「任意後見」がある。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812240075.html