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2008年12月24日(水) 14時42分

火災警報器の悪質販売横行、「50万で」「頭金だけでも」読売新聞

 一般住宅への設置が義務づけられた住宅用火災警報器を巡り、不当に高い価格で売りつけられたり、現金をだまし取られたりする被害が今年度になって“再燃”している。

 東京消防庁は「強引な営業に不安を感じたら、その場で電話で消防署や消費生活センターに相談して」と注意を呼びかけている。

 2004年6月に消防法が改正され、06年6月から、新築住宅には警報器の設置が義務づけられた。建築済みの住宅については、11年6月までに、各市町村が設置義務の期日を設定することになっている。

 これに便乗する形で、悪質な訪問販売が現れた。国民生活センターによると、全国の消費生活センターに寄せられた警報器を巡る相談件数は、05年度は173件だったが、06年度は507件に増えた。07年度は387件とやや収まったものの、08年度は再び増加し、11月末現在、前年度同期の178件より約4割も多い244件に上っている。

 東京消防庁によると、今年5月、都内の高齢の女性宅を訪ねた業者が、「設置が義務化された」と、警報器ではない保安システムを75万円で売りつけようとした。女性が購入を渋ると、「50万円でいい」と“値引き”され、つい契約してしまったという。

 都内では、2人組が「警報器設置のための調査」と言って訪ねてきて、1人を2階に案内しているすきに、もう1人に現金を盗まれるという事件も起きた。

 金だけをだまし取る詐欺のような手口も出始めた。関西地方のある消防本部によると、今年2月、79歳の女性宅を作業服姿の男が訪れ、「法律で必要になった」と8万円で購入を持ちかけた。女性が断ると、男は「頭金だけでもいい」と粘り、2万円を受け取ると「領収書を取りに行く」と外に出て戻ってこなかった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081224-00000037-yom-soci