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2008年12月24日(水) 13時07分

<麻生首相>記者会見全文(1)毎日新聞

 麻生太郎首相が24日午前、09年度予算案の閣議決定を受け、首相官邸で行った記者会見の全文は次の通り。

 【冒頭発言】

 今般、09年度当初予算および08年度第2次補正予算をまとめさせていただきました。そこで国民の皆様に今回の予算に込めた私の意図をぜひ説明したいと存じます。「生活防衛のための大胆な実行予算」。私は新年度の予算をこう呼びたいと存じます。今回の予算はまずもって国民の生活を守るための予算であります。

 世界が100年に一度と言われるような不況に入りつつあります。異常な経済には異例な対応が必要です。日本もまた、この世界不況の津波から逃れることはできません。しかし、大胆な対策を打つことで世界で最初にこの不況から脱出することを目指します。

 こちらのパネルをご覧ください。10月に第1次補正予算を成立させました。続いて先日、第2次の補正予算を具体化させております。そして今日、09年度の予算を編成しました。これら三つを切れ目なく、いわば3段ロケットとして進めてまいります。

 これら三つをあわせますと事業規模で約75兆円となります。予算と減税額で12兆円。国内総生産、いわゆるGDPの約2%になります。諸外国の中でも最大規模の対策であります。これらの対策により、皆さんの生活がどうなるか、もう少し具体的にお話をさせていただきたいと存じます。

 2枚目のパネルをご覧ください。まず雇用です。雇い止めになった派遣労働者のために住居を確保します。特に雇用促進住宅での受け入れは既に実施し始めておりまして、1000戸程度の入居者が既に決定をいたしております。

 派遣労働者、内定を取り消された学生、年長フリーターを正規雇用した事業主に対して50万円から100万円助成をいたします。雇用保険料も引き下げます。標準的な世帯で年間約2万円にあたります。また4000億円の基金を作り、新たな雇用を生み出します。例えば高齢者の介護補助、配食サービスなど未来に向けた事業につなげていきたいと思います。

 定額給付金。1人あたり1万2000円をお渡しいたします。子供や高齢者のところには2万円。子供2人の4人家族で6万4000円であります。ぜひ使ってください。そして、少しでも家計にゆとりが出ればと思っております。

 少子化対策も重要です。妊婦検診を14回分すべて無料にします。出産育児一時金も4万円引き上げて42万円にします。子供を産むのに現金は不要としたいと考えております。

 そして減税です。住宅ローン減税を過去最大の600万円に引き上げます。ローンでなく、自己資金で省エネ改修やバリアフリー改修しても減税します。また、環境にやさしい自動車というものを購入すれば自動車重量税、取得税を減税します。たとえば、価格200万円のハイブリッドの新車の場合には、普通の車で言えば14万6700円の税金がかかるのに対し、ゼロ円になります。中小企業が従業員の雇用を守りつつ、後継者に引き継がれた場合には相続税と贈与税を猶予します。これで地域社会、コミュニティーというものが維持されやすくなります。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081224-00000042-mai-pol