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2008年12月24日(水) 13時09分

<麻生首相>記者会見全文(2)毎日新聞

 次に3枚目のパネルをご覧ください。09年度予算では3300億円の重要課題推進枠を活用し、生活を防衛し、地方の底力を発揮させたいと考えております。

 医師不足や救急医療対策に力を入れます。ドクターへリを増やしたり、救急病院への支援を強化します。難病対策の範囲を広げ、新型インフルエンザの対策を行いたいと考えております。また、消費行政というものを強化していくために消費者庁を創設します。国民の消費に対する安心向上につなげたいと考えています。

 食料自給率の向上も重要な課題です。水田での麦などの作付け拡大、耕作放棄農地の解消を支援します。そのほか、話題のiPS細胞、再生細胞などの先端技術の研究にも重点的に予算配分したいと考えています。なお、道路特定財源はすべて一般財源化します。すなわち、ガソリン税を道路整備に使うという従来の縛りをやめて、道路以外にも使えるようにします。社会保障費にも回します。

 次にこれらの対策の財源について説明します。まず税収です。急激な経済の落ち込みによりまして、国税と地方税を合わせて09年度は前年度に比べて11兆円という大幅な減収が見込まれています。この減収分は、赤字国債や赤字地方債の発行で補わざるを得ません。他方、今回の対策のうち、第2次補正予算分については一切赤字国債に頼ることなく、財源を捻出(ねんしゅつ)いたしております。また、対策のうち、09年度予算案にかかる分については、その大半を特別会計の積立金、剰余金を活用して、赤字国債の発行は極力抑えることとしました。これに加えて、基礎年金の国庫負担分の割合を2分の1に引き上げます。年金行政を安定的なものにするためのお約束でありました。その財源も赤字国債ではなく、財政投融資特別会計に積み立ててあります準備金を活用することとしました。

 しかし、これらはいずれも臨時財源であります。安定財源とは言えません。特に社会保障制度を安心なものにするためには、安定的な財源をいかに確保するかが最大の課題になります。そこで、社会保障と税財政に関します「中期プログラム」を閣議決定しました。消費税を含む税制抜本改革を2011年度より実施できるよう必要な法制上の措置をあらかじめ講じることを決めたところです。

 この増税は、社会保障、年金医療介護を安心なものにする、そのためのものです。子や孫にツケをまわさないものであります。私は「短期は大胆、中期は責任」と申し上げております。その具体化の第一歩を踏み出すことができたと存じます。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081224-00000043-mai-pol