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2008年12月24日(水) 07時15分

陸自でメモリー紛失、隠蔽…「おおごとにしたくなかった」読売新聞

 陸上自衛隊の新発田駐屯地(新潟県新発田市)の部隊が今年10月、文書保存用のUSBメモリー(パソコン用外部記憶媒体)を紛失し、その事実を隠蔽(いんぺい)していたことが23日、わかった。

 隠蔽は部隊幹部の発案で行われており、陸自は近く、この幹部を停職の懲戒処分にし、メモリーを紛失した職員らも処分する方針。

 陸自によると、同駐屯地の業務隊に所属する男性職員が10月17日、注意文書を保存することができるUSBメモリー1個を紛失。上司にあたる同隊総務科長の40歳代の1等陸尉に相談した。この1尉は探し出すよう指示したが、見つからなかったことから、紛失の事実を隠すため、職員に指示して同じタイプのメモリーを新たに購入させた。

 陸自東部方面総監部の内部調査で発覚。1尉は調査に対し、「おおごとにしたくなかったため、メモリーを新たに購入するよう指示した」と話しているという。

 紛失したメモリーは、秘匿性の低い「注意」に指定された防衛関連文書を保存するもので、駐屯地の人員募集に関する文書が保存されていたが、この文書自体は注意に指定されていなかった。しかし、陸自では、隠蔽行為を重くみて、1尉を停職にする方針だ。

 陸自では昨年2月、伊丹駐屯地(兵庫県伊丹市)で、陸自と米陸軍の図上演習に関する注意文書を保存したメモリーが盗まれて紛失している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081224-OYT1T00010.htm