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2008年12月24日(水) 00時29分

輸血ミス ずさんな「3重ミス」が原因産経新聞

 大阪府東大阪市の府立中河内救命救急センターで、男性患者(31)にとって不適合の血液が誤って輸血され、その後、男性が死亡した問題で、病院内の血液を管理する検査技師が保管庫にあった別の患者の輸血用血液と取り違え、運び出していたことが23日、分かった。その後、手術室に血液を運ぶ前と輸血直前の2度、確認する機会がありながら看護師と担当医師も怠っていたことが判明。3つの初歩的なミスが事故を招く結果となり、緊急時の輸血をめぐるチェック態勢の不備が露呈した。

 同センターによると、男性は転落事故直後の20日午前9時16分に搬送され、約15分後に輸血を開始。検査技師は大阪市の日本赤十字社血液センターに男性と同じO型の血液パックを注文し、届いたパックの納品を看護師と一緒に確認した。

 同時にセンター内の保管庫にあった血液も運び出したが、その際、別の患者の輸血用A型血液をO型と思い込んで取り違え、看護師に手渡した。この時点で看護師と表示ラベルの読み合わせや、目視確認をするなどの照合作業を怠り、さらに治療に当たった医師とも手術室で輸血前の最終確認をしなかったという。

 男性は約3時間にわたって約5200ミリリットルの輸血を受けたが、病院側は男性の死亡後、A型の血液が約132ミリリットル混ざっていることに初めて気づき、輸血ミスが判明した。

 一方、守口署は22日に男性の遺体を司法解剖し死因は出血性ショックと判明。誤って輸血した量が少なかったため血液が凝固するなどの反応はみられず、輸血ミスと死亡に因果関係はないと判断した。

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