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2008年12月24日(水) 00時00分

現職首長、受難の時 岡山中国新聞

 岡山県内の首長選で、現職が敗れるケースが相次いでいる。今年投開票のあった市長選では倉敷、高梁、瀬戸内の3市長選で現職が敗退。知事選、2町長選では、現職が勝利したものの、きん差だった。財政悪化に伴う住民サービス低下や、自治体合併での地域格差拡大などを背景に、住民の反発を受けた。現職首長は受難の時を迎えている。

 倉敷市長選は、再選を狙う現職の古市健三氏に、元市収入役の伊東香織、前市議会議長の秋山正の新人2氏が挑戦。古市氏が当初、優勢だったが、市政刷新を訴え女性や無党派層を取り込んだ伊東氏が最終盤で逆転した。

 次回の市長選をにらむ古市氏は当時を振り返り「新人候補は現職批判をすれば済む。だが現職は現状維持を訴えるだけでは許されない。次期4年の明るい市政の姿を示さないと納得されなかった」と総括している。

 高梁市長選は、新設合併直後の前回市長選(2004年10月24日投開票)で当選した秋岡毅氏と、前市商工観光課長の新人近藤隆則氏が対決。告示のほぼ2週間前に立候補表明した近藤氏は「高梁を変えよう」と訴え勝利した。元成羽町長の秋岡氏、旧高梁市出身の近藤氏という旧市町間の主導権争いの構図も垣間見えた。

 瀬戸内市長選も、新設合併直後の前回市長選(04年12月5日投開票)を制した立岡脩二氏と、元市代表監査委員の新人島村俊一氏の一騎打ち。現職の財政運営を批判した島村氏が当選を果たした。

 知事選は、4選を目指す現職の石井正弘氏と、新人で伝承民謡研究者の住宅正人氏が争った。行財政改革を進め、市町村などの補助金カットなどを提案した石井氏が苦戦し、約7万票の差で辛くも逃げ切った。

 町長選は、無投票の吉備中央町を除き、早島、久米南の2町ともに現職が一騎打ちを制し当選したものの、その票差は282、198とわずかだった。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812240042.html