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2008年12月24日(水) 12時28分

ハリウッドでネットのクリスマス・カードが急増VARIETY

 アメリカでは年に1度の挨拶としてクリスマス・カードをおくるのが慣例となっているが、不況のあおりを受けて、映画会社や製作会社、大手エージェンシーらはインターネットを利用したグリーティングカードに切り替えている。

 あるメジャースタジオの社員によると、インターネットに替えるだけで、印刷代と郵送代を合わせ4万ドル以上も節約できるという。確認が取れただけでも、映画スタジオのソニー・ピクチャーズ・エンタテイメント(SPE)、ワーナー・ブラザース、MGM、ケーブル局のTLC、製作会社のイマジン・エンタテインメント、マンデイト・ピクチャーズ、大手エージェンシーのICMなどが、ペーパーレス化している。

 このような中、いま最も注目を集めているのが、マネージメント業務を兼ねる製作会社Benderspinkのグリーティングカードだ。全社員で『スラムドッグ・ミリオネア』のダンスシーンを再現してその様子をビデオに収録。電子メールでおくられたグリーティングカードから、YouTubeの動画ページにアクセスできる仕掛けになっている。

 映画プロデューサーで、同社の代表を務めるJ・C・スピンクによれば、製作費はただ同然だったという。「製作期間は1週間ほどです。ダンスを覚えるのに1時間、撮影は90分でした。唯一かかったコストは、ぼくが衣装のために使ったスカーフ代です。あとはガソリン代とコーヒー代くらいですね」

 コスト削減ではなく、環境に対する配慮からインターネットのグリーティングカードを利用する企業もある。昨年からインターネット化したSPEは、今年、自然保護団体WWFと提携したグリーティングカードを利用することにより、寄付を行っている。ICMも非営利団体American Forestsに寄付を行っている。SPEのSteve Elzer氏は言う。「大量の木を伐採から守りつつ、祝日気分を楽しめる素晴らしい方法です」

 また、TLCが送付するグリーティングカードには以下のような助言がついている。「毎年、感謝祭から元日にかけて、一般家庭からは通常よりも25%以上多くのゴミが出ます。その原因のひとつがグリーティングカードです。毎年、ホリデーシーズンには27億通のグリーティングカードが郵送され、どれもリサイクルされません。ですから、今年はペーパーレスでいこうじゃありませんか」

 どうやらいまのハリウッドは、この助言に熱心に従っているようだ。


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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081224-00000002-vari-ent