2008年12月24日(水) 23時51分

文科省の牽制に橋下知事不快感　学力テスト実施要領（産経新聞）

　文部科学省は２４日、来年４月に行う全国学力テストの実施要領を発表した。都道府県教育委員会による市町村別データ開示などを引き続き禁じ、調査結果を関係機関に提供する場合について、新たに「実施要領の趣旨に基づいた取り扱いが行われるよう必要な措置を講ずる」との文言を盛り込んだ。大阪府の橋下徹知事が、府教委から提供を受けた市町村別データを開示したことを牽制（けんせい）する措置とみられる。

　橋下知事は同日の定例会見で「僕は実施要領には一切縛られない」と反発。「教育委員会に責任を負わせる内容。縛りたいのであれば、きちんと『知事に渡すな』とするべきだ」と不快感をあらわにした。

　また、自身が予算査定資料として府教委にデータ提供を求めた経緯から「僕の予算執行権を縛ろうなんて言語道断だ」と述べ、「実施要領の『必要な措置』には、知事にデータを渡さないといった対応も含まれるのだろうが、大阪府教委が僕に渡さないということはありえない」と強調。府教委も「知事からデータ提供を求められた場合は、今年と同じ対応をすることになるだろう」としている。

　現行の実施要領は、都道府県教委による市町村・学校別データ開示や、市町村教委による学校別データ開示を禁じている。しかし、橋下知事が情報公開請求に応じ市町村別の成績を明らかにしたほか、鳥取県南部町も学校別データを開示するなど、この趣旨に反するケースが相次いでいた。

　文科省学力調査室は「『関係機関』には首長部局だけではなく研究機関なども含まれる。大阪府の動きだけを踏まえたものではない」と説明している。

　このほか文科省は「市町村別の成績は必要ないという都道府県教委に対しては、データを提供しない」と定めることも検討、橋下知事はこの内容を繰り返し批判してきたが、来年の実施要領には盛り込まれなかった。

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