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2008年12月24日(水) 22時44分

いじめ被害 忘れられないこともある産経新聞

 いじめ被害を受けた子供らでつくるNPO法人「全国いじめ被害者の会」の会見で、同級生のいじめで不登校になった小1男児(7)の体験談を聞き、自分の小学生のころを思いだしました。

 この男児は、何度も背中をたたかれたり、消しゴムをなくされたりしたそうです。「いじめる子の顔がいつも頭に浮かんで苦しかった。転校してよかった」と話しました。

 私も小学1年のとき、同じクラスのU君に毎日背中をたたかれました。大柄な彼に抵抗もできず、彼の顔が頭に浮かんでは、嫌な思いが積み重なり、ついに「学校へ行きたくない」と母に泣きつきました。

 母は心配しながらも、嫌がる私を無理やり登校させました。そのおかげか、私は不登校にならずに済みました。

 今思えば、いじめともいえないことかもしれません。U君もこんな30年も前のこと、きっと忘れていることでしょう。しかし、私は今もU君のことを忘れていません。おそらく、被害者の会の男の子も同じでしょう。

 文部科学省の平成19年度の児童生徒問題行動調査では、いじめは計約10万件と、過去最多の18年度から約2割も減少しました。とはいえ、少なくとも10万人の心の中に、そんな嫌な記憶が残るのかと思うと、何ともやりきれない思いになります。(爺)

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