記事登録
2008年12月24日(水) 22時18分

<メラミン>中国・三鹿集団が破産 回収で多額負債抱える毎日新聞

 【北京・大塚卓也】有害物質メラミンで汚染された粉ミルクを製造していた中国河北省の乳製品大手、三鹿集団が同省の裁判所から破産を宣告されたことが24日分かった。同社の大株主であるニュージーランドの同業最大手フォンテラが発表した。汚染ミルクの回収で多額の負債を抱え、金融機関のつなぎ融資も得られなかった。

 今年9月、同社の汚染粉ミルクを飲んだ複数の乳幼児が腎臓結石で死亡したことが表面化して以降、中国では他のメーカーの乳製品からも次々にメラミンが検出された。中国政府は一連の汚染粉ミルクで乳幼児29万人以上に泌尿器異常などの被害が出たと発表している。

 同社の負債額は明らかではないが、中国の週刊誌「財経」によると、同社は出荷済みの粉ミルク1万トン以上を回収、その賠償金だけで7億元(約95億円)にのぼる。さらに被害者への補償費は、他社製品による被害を含め40億元前後にのぼり、このうち9億元前後が同社の負担になると見込まれている。今後、破産管財人が同社の資産売却を進めるが、賠償資金を捻出(ねんしゅつ)できるかどうかははっきりしていない。

【関連ニュース】
中国:メラミン汚染で健康被害の乳幼児、29万4千人に
台湾:野党・民進党、メラミン問題で中国への抗議デモ
中国粉ミルク汚染:乳幼児被害、中国全土で29万人
メラミン:カップ春雨に 龍口食品、自主回収 中国に製造を委託

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081224-00000139-mai-soci