記事登録
2008年12月24日(水) 21時46分

首相、来春解散を模索 「反麻生」の動き焦点中国新聞

 麻生太郎首相は臨時国会が二十四日、事実上閉幕したことを受け、来年の通常国会での二〇〇九年度予算案と関連法案の年度内成立に全力を挙げた後、衆院解散・総選挙を模索する。ただ自民党内の求心力は著しく低下し、景気や雇用情勢は急速に悪化。首相は「反麻生」の動きの拡大を警戒し、公明党との連携をにらみながらの厳しい政権運営を強いられる。

 麻生首相は二十四日、〇九年度予算政府案の閣議決定を受けて官邸で記者会見し「選挙だ、連立だ、政界再編だとの議論があるが、今は百年に一度の経済危機の真っただ中だ。そんなことを言っている場合ではないし、あり得ない」と述べ、予算成立前の解散に否定的な考えを表明した。

 一方、同日の衆院本会議では、民主党提出の衆院解散決議案が与党の反対多数で否決されたものの、自民党の渡辺喜美元行政改革担当相が賛成。渡辺氏は記者会見で離党や新党結成を否定したが、首相の足元から政権運営への不満が噴き出した形だ。

 政府は通常国会が召集される来年一月五日、〇八年度第二次補正予算案と、定額給付金の財源確保など関連法案を提出。〇九年度予算案と関連法案は一月十九日ごろに提出する予定で、与党は補正と本予算を衆参両院で並行審議することも辞さない方針だ。

 〇九年度予算案が二月中旬までに衆院を通過した場合、野党が参院で抵抗しても、参院送付後三十日で自然成立する憲法の規定に基づき、三月中旬には成立する。関連法案については、野党が参院採決に応じない場合、参院送付後六十日を待って「みなし否決」を適用し衆院で再可決する構え。二次補正の関連法案は、一月中旬に衆院通過させれば三月中旬には再可決でき、首相が公約とした定額給付金の年度内支給にめどが付く。

 〇九年度予算の関連法案も二月中旬までに衆院を通過させれば四月中旬には再可決が可能となり、首相周辺は「春には衆院解散・総選挙の環境が整う」としている。

 しかし自民党内では定額給付金批判がくすぶっており、民主党は二次補正関連法案の採決で揺さぶる考え。衆院で三分の二の議席が必要な再議決で与党から十七人以上が造反し否決されれば、首相は追い込まれる形で総辞職か解散を迫られる。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812240285.html