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2008年12月24日(水) 00時00分

拘束力ある排出削減目標を 温暖化対策で投資家宣言中国新聞

 欧米の年金基金や投資銀行など約百三十の機関投資家から成るグループが、次期地球温暖化対策の枠組みに拘束力のある、大幅な削減目標を盛り込むよう求める「気候変動に関する投資家宣言」をまとめた。関係者が二十三日までに、明らかにした。

 二〇二〇年の中期目標として、先進国が温室効果ガスの排出量を一九九〇年比で25—40%削減。五〇年の長期目標は、先進国が二〇〇〇年比80—95%削減、世界全体で同50—85%削減との目標を盛り込むよう求めている。

 「効果的な投資や年金の運営には、温暖化のリスクを減らすことが不可欠だ」との認識に基づく宣言で、参加機関の運用資金総額は六兆四千億ドル(約六百兆円)という巨額。各国の経済界に対する影響力は大きく、今後の地球温暖化交渉の行方にも影響を与えそうだ。

 宣言をまとめたのは米国の「気候リスクに関する投資家ネットワーク」など三団体。傘下には米国最大の公的年金基金であるカリフォルニア州の州職員年金基金(カルパース)をはじめ、欧米とオーストラリア、ニュージーランドの著名な機関投資家が名を連ねる。

 宣言は「(温室効果ガスの排出量が少ない)低炭素社会づくりのため、拘束力のある大幅な排出削減目標を持った次期枠組みに、〇九年末に合意する必要がある」と明言。二〇年と五〇年の数値目標を提案した。

 削減対策として、排出量取引など市場メカニズムを活用する制度を今後も続けることも求めた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812230278.html