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2008年12月23日(火) 10時25分

【有馬記念】近づく別れの時…サムソンさよならVへデイリースポーツ

 「有馬記念・G1」(28日、中山)
 これが引退レースとなるメイショウサムソンが、3度目の挑戦で劇的Vを目指す。今年は勝ち星こそないが、天皇賞・春と宝塚記念で2着と存在感を誇示。10月には凱旋門賞(10着)にも出走した。過去にはオグリキャップ(90年)やトウカイテイオー(93年)など、多くの名馬がグランプリで復活V。名手・武豊とのコンビ再結成で、鮮やかに有終の美を飾る。
  ◇  ◇
 いよいよラストラン。07年2月、瀬戸口厩舎の解散で高橋成厩舎へやってきたメイショウサムソン。担当を任された中田厩務員も、気の休まらない日が続いた。全休日の22日朝もいつも通り“出勤”してカイバ付け。約2年間、休日返上で毎日顔を合わせてきた。「ガツガツ食べる方ではないが落ちてはいない。状態面は心配ないよ」。優しいまなざしで見つめた。
 17日には栗東坂路で4F53秒3をマーク。騎乗した丸山助手は「ハミをグッとかんで、いい動きをしていた。悪いところを見つけようと思ってもないぐらい。高いレベルで好調を保っている」と出来の良さに胸を張る。そして、仕上げ人は「なかなかこれだけの馬には巡り合えない。私自身も初めての経験だった。オグリキャップのように、最後に頑張ってほしいね」とラストランへ、こん身の仕上げを誓う。
 右腕の骨折で戦列を離れていた武豊も、21日の朝日杯FSでカムバック。照準を合わせてきた。24日の追い切りに騎乗するかは未定だが「状態に関しては特に不安はないからね。(ジョッキーが)乗らなくてもいい、という感じで調整している」と高橋成師。すでに態勢は整っている。
 一昨年は5着、昨年は8着に敗れたが、今年のサムソンは活気十分。着実に調子を上げている。高橋成師も「去年とは違って、今年は馬の勢いがキチッとあるからな」と手応えをつかんでいる。
 引退レースにも指揮官は平常心を貫く。「いまのところは何も変わらない。レース当日に“これで最後か”と思うかもしれないけどな」。“チーム・サムソン”が、一枚岩となって有終の美を飾る。

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