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2008年12月23日(火) 10時25分

【有馬記念】春のGP馬デピュティを忘れるなデイリースポーツ

 「有馬記念・G1」(28日、中山)
 その機動力を侮るわけにはいかない。エイシンデピュティは5番人気で臨んだ春の宝塚記念で強豪を打ち破り、念願のG1初制覇を決めた。中間のアクシデントで182日ぶりの実戦となるが、1週前追い切りでは主戦の内田博を背に、栗東坂路で一番時計をマークするなど順調な回復を見せている。同一年春秋グランプリ連覇を狙う、頼もしい役者が帰ってきた。
  ◇  ◇
 春のグランプリホースがターフに帰ってくる。エイシンデピュティは宝塚記念を制して以来、6カ月ぶりの実戦復帰。ぶっつけでのG1参戦と厳しい状況下には置かれているが、強い精神力で勝利へ突き進む。
 秋に備えた放牧の途中でアクシデントは襲った。帰厩間近に右前のけいじん帯炎を発症。9月上旬に栗東トレセンに戻ったものの、経過は思わしくなく、予定の秋の天皇賞を回避し、目標を有馬記念へと定めた。
 「できる限りのケアをしています」と、担当の甲斐助手はあらゆる方法を試している。関節や腱にいいと言われるサプリメントを与えたり、1台200万円と高額な超音波機器を脚元にあてるなど、いいと言われるものは積極的に取り入れて、復活を模索してきた。
 10月13日に初時計をマークして以降、熱心に攻め馬も積んできた。18日の1週前追い切りは内田博が手綱を取った。「“気持ち重いけど、もう1本追えば良くなりそう”とウチパクさんも言ってくれている。ケイコと実戦が結びつくタイプですからね」。時間は要したが、栗東坂路で4F50秒7の一番時計を叩き出せるまでに調子を上げてきた。
 5歳を境に素質が開花。「若いころはやんちゃで遊びたがっていた。今は普段からおとなしいし、手がかからなくなりましたね」と気性面の成長とともに飛躍してきた。だが、それだけではG1は勝ち取ることはできない。デピュティの強さの秘密、それは心臓にある。「獣医さんいわく、心臓の強さはクロフネやテイエムオペラオー級だそうです。だから、強い調教の後でもヘコむことがない。レースでもここ一番の追い比べでモノをいうんです」と甲斐助手は胸を張る。初めての中山の急坂も持ち前の持久力で克服へ。史上9頭目の同一年春秋グランプリ連覇を目指し、デピュティが駆け抜ける。

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