記事登録
2008年12月23日(火) 09時54分

内藤、渡嘉敷会長の“ホメ殺し”にグラリ?デイリースポーツ

 「WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦」(23日、両国国技館)
 王者・内藤大助(宮田)が心理戦を克服してV4を達成する。22日、東京・水道橋の後楽園ホールで調印式、計量が行われ、内藤はリミットいっぱいの50・8キロでパスした。調印式では、敵陣営の渡嘉敷勝男会長(48)による「ほめ殺し攻撃」を受けたが冷静に対処。王者のボクシングで防衛を宣言した。
  ◇  ◇
 ひな壇の王者は落ち着き払っていた。「ここまでケガもない。トレーニングも順調に積んできた。体調はいい。風邪もひかなかったし、やることはやってきた。明日のリングで出すだけ。気を抜かずにいきたい」。浮ついたところはなく、いつになく真剣な表情で意気込みを口にした。
 すでに恒例となった渡嘉敷会長の心理戦にも冷静に対応した。15日の山口の公開スパーリングで宮田会長との「不仲説」を吹聴され、翌16日の自身の公開スパーリングでは直接「不仲説」を指摘された。そしてこの日は「ほめ殺し攻撃」を受けた。
 「人間的に大好きな選手。ボクシングもインパクトがある。いじめからはい上がった強じんな精神を持っている」。これまでとは一転、渡嘉敷会長のほめ言葉に多少動揺したのか、「動揺作戦だね」と「陽動」を「動揺」と間違える場面もあったが、「これに引っかからないようにしたい」と気持ちを引き締めた。
 V4戦のテーマは「王者のボクシング」だ。体格、パワーで圧倒的に内藤が上回り、下馬評でも内藤有利の声が多い。これまでは一貫して「挑戦者の気持ち」を強調してきたが、今回は違う。「チャンピオンのボクシングでいく。そういう気持ちでいきたい」と意気込みを語った。
 計量はリミットいっぱいの50・8キロで一発パス。減量が唯一の不安材料だったが、順調にクリアした。「ファンあってのプロボクシング。ファンを裏切らない練習をしてきた。明日はのびのびやりたい。開き直っていきますよ」。国民的ヒーローが、きっちり勝利で今年を締めくくる。

【関連記事】
ボクシング世界戦記事バックナンバー

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081223-00000014-dal-fight