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2008年12月23日(火) 03時31分

「2011年度」明記、公明譲歩も党内に不満募る読売新聞

 税制抜本改革の「中期プログラム」について、自民、公明両党が政府案通りの「2011年度」と明記することで決着したのは、麻生首相と自民党が消費税率引き上げ時期について最後まで譲らず、公明党が最終的に譲歩したためだ。同党内には不満が募っている。

 23日未明まで7日間にわたって行われた与党協議で、最後まで残った対立点は、消費税引き上げ時期をどう表現するかだった。政府案は「経済状況の好転後に消費税を含む税制抜本改革を11年度(3年後)より実施」すると明記していたが、公明党は「11年度までに経済状況を好転させた後、消費税を含む税制抜本改革を開始する」との趣旨に改めるよう求めた。景気回復が消費税増税の前提であることをより明確にするためだ。

 だが、自民党側の与党プロジェクトチーム(PT)座長の額賀福志郎・元財務相はこれを認めなかった。首相と与謝野経済財政相の「消費税引き上げ時期の明記は譲れない」とする意向が働いていた。

 首相は12日の記者会見で、「中期の財政責任を示すことが責任政党の矜持(きょうじ)だ」と明言した。内閣支持率が20%近くに急落して政権基盤が揺らぐ中、この線を覆しては「政権の致命傷になりかねない」(首相周辺)との危機感があった。政府筋は「与党交渉が決裂し、公明党との関係が悪化してでも、首相の方針を貫くしかない」と悲壮感を漂わせていた。

 一方、公明党は、次の衆院選や来夏の東京都議選で、「消費税増税」に反対する共産党などから「増税を受け入れた公明党」と攻められることを警戒していた。

 合意したとはいえ、「公明党内の消費税アレルギーは強い」(自民党筋)とみられ、今後、自民、公明党間の深刻な亀裂になりかねないとの見方も出ている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081223-00000001-yom-pol