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2008年12月23日(火) 02時30分

<偽造判決文事件>家裁書記官、成年後見制を悪用し数千万円毎日新聞

 偽造判決文により凍結解除された銀行口座から預金が引き出された事件で、偽造有印私文書行使容疑で逮捕された京都家裁書記官の広田照彦容疑者(36)が、認知症のため成年後見制度を利用していた資産家に対し、多額の債権があったように装い、現金数千万円を差し押さえたうえで取得していたことが分かった。後見人の選任が家裁に申し立てられた際、広田容疑者が担当していた。埼玉県警は詐欺の疑いもあるとみて調べている。

 県警によると、広田容疑者は、戸籍を不正に取得した「馬場(ばんば)」に債権があるとして資産の差し押さえを申し立てた。申し立て額が資産家が実際に持つ現金より多かったため、現金全額が差し押さえられ、「馬場」の口座に移されていたという。

 成年後見制度は認知症や知的障害などで判断能力が不十分な人を保護する制度。選任された成年後見人が財産管理などにあたる。

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