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2008年12月23日(火) 16時36分

緊急雇用対策に中国5県懸命中国新聞

 派遣社員の大幅削減などを受け、中国地方の自治体が緊急対策に乗り出している。過去に例のない急激な雇用環境の悪化に対応しようと懸命だが、取り組みには立地企業の動向や首長の考えで違いも浮かぶ。

 22日、5年ぶりに開かれた広島県の産業・雇用対策本部会議。県内ではマツダの減産などで来年3月までに1500人以上が離職する見込み。県営住宅など70戸の提供を決めた。県は当初、住宅提供に消極的だったが、国土交通省から公営住宅の積極活用を促す通知を受け一転。マツダ防府工場(防府市)のある山口県や県内市町が具体策を打ち出す中、急きょ提供を決めた。

 山口県は、総額29億円の緊急雇用対策を盛り込んだ補正予算案を25日の県議会臨時会に提案する。各地で道路・河川清掃事業を実施し約450人の雇用を創出する。県内の離職者は1800人を超える見通しの中、離職者を雇う中小企業への融資制度も新設し生活資金の融資枠も3億円へと2億円上積む。

 鳥取県は22日、緊急経済雇用対策本部を設けた。本年度内に200人以上の雇用を生み出すことや県営住宅30戸の提供を決めた。島根県は職員住宅36戸の提供を検討。岡山県も近く対策をまとめる方針でいる。

 市レベルの動きも活発で、福山市は22日、緊急経済・雇用対策本部を設置。市営住宅5戸を安く貸し出すことや離職者を臨時職員として雇う方針を決めた。呉市や三原市なども対応を検討中だ。

 臨時職員の採用は下関市が約50人、米子市が35人を計画するほか、広島市や鳥取市なども検討を急ぐ。市営住宅の提供は岩国市、防府市などが決めている。

【写真説明】解雇された派遣労働者向けに県営住宅の提供することなどを決めた広島県の産業・雇用対策本部会議

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812230227.html