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2008年12月23日(火) 16時36分

アーバンにスポンサー現れず中国新聞

 スポンサー企業の協力で会社の一体再生を目指したアーバンコーポレイション(広島市中区)は、事業を分離・譲渡した上で本体は清算する方向を余儀なくされた。急速な景気悪化でスポンサー企業が現れなかった。注目された広島地区のマンション分譲事業は地元投資会社が引き受け、再建を図る。

 関係者によるとアーバンは当初、会社全体を一体再生できるスポンサー企業を探し、米国の大手証券会社などが関心を示した。しかし、広島地区のマンション分譲事業の資産評価が低かったため、広島地区の事業の分離が浮上したという。

 一方、広島銀行(中区)などが出資する広島ベンチャーキャピタル(同)は広島地区の事業だけならば譲渡を受ける意向を表明。同キャピタルは「広島で誕生した企業が完全になくなるのは惜しい。マンション事業はノウハウもあり、再建できる」と説明する。

 広島地区の事業切り離しが決まった後も、アーバンは残る部分の一体再生を目指していた。大手住宅メーカーの大和ハウス工業(大阪市)などの企業連合が有力なスポンサー企業として浮上したが、大和ハウスは資産査定の結果、最終段階で支援を辞退した。

 大和ハウスと同じグループだった極東証券(東京)は、不動産流動化での資金調達のビジネスを目的に、アーバンの流動化事業の譲渡を受けることを決めた。だが東京や関西のマンション事業などは引き受けられないとして、一体の再生ではなく事業譲渡を選んだ。

 再生計画案では、債権者への弁済率は15%の見込み。アーバンが仮に自己破産すれば弁済率は5%ともいわれていただけに、会社の一体再生はかなわなかったが「債権者には次善の策」(アーバン関係者)となった。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812230222.html