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2008年12月23日(火) 16時36分

神楽ファン拡大は外国人が鍵中国新聞

 神楽が盛んな広島県北広島町で、ファン層の拡大を狙い、海外からの観客を呼び込む作戦が展開されている。

 町や町商工会を中心にした協議会は神楽を生かした観光振興を掲げて発足した。ニーズ開拓で着目したのが外国人だ。広島県内では年間約23万人の外国人が宿泊するが、広島らしい夜型観光は少ない。さらに北広島町は人気の高い世界遺産の宮島(廿日市市)と石見銀山(大田市)の中間に位置する—。そんな分析から初めて試みたディナーショー。反応をじっくり観察していた協議会の薮茂樹会長(41)は「潜在的ニーズは高い」と自信を深めた。

 アジア戦略も着々だ。協議会メンバーは10月に台湾、今月は韓国を訪問し、旅行代理店やマスコミなどに神楽とスキーを売り込んだ。薮会長は「反応がよかったのは、圧倒的に神楽」と言う。韓国のテレビ局からは神楽取材の申し込みがあり、近く町内で撮影に入る予定だ。

 既に神楽観賞を目的にした海外からのツアーもあった。特定非営利活動法人の広島神楽芸術研究所が11月に開いた定期公演。米国の旅行代理店が、サンフランシスコから18人を連れてきた。「舞いの激しさや面の早変わりなど驚くことばかり」「文化継承への熱意が感じられる」。研究所に感想が届いた。

【写真説明】神楽の衣装を着て大喜びする外国人。反応は上々だ(5日、広島県北広島町)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200812230034.html