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2008年12月23日(火) 23時52分

TKO勝ち内藤、弱さ克服も「迷いあった…」産経新聞

 試合後のリングで長男の亮君(3)を抱きかかえても、控室で横綱白鵬の祝福を受けても、内藤の表情はさえなかった。「後半は見栄えが悪かった気がする。自分の気持ちに迷いがあった」。2戦連続のKOで4度目の防衛を果たしても、口をついて出るのは反省ばかりだった。

 相手の山口を10センチ上回るリーチを生かし、得意の変則スタイルで序盤から主導権を握った。ただ8回終了後、大差リードの途中経過が伝えられると、捨て身の反撃に出た山口に押された。「完全に(KOを)とろうと決めるといっつもそれなんだ」。逆にセコンドの指示で逃げ切りを図った11回、無心で打ち下ろした右フックでダウンを奪うと、豪快なラッシュでTKO勝ち。狙いと結果のギャップには「改めてボクシングは難しい」と苦笑するしかなかった。

 それでも終盤まで先行された前回の清水智信(金子)戦とは明らかに試合運びが違った。不安を解消しようと試合直前まで激しく練習する姿勢を、指導する白井・具志堅スポーツジムの野木丈司トレーナーが「休めないのも一つの弱さ」と一喝。オーバーワークから脱却し、豊富な練習量が力となって表れた。

 衰え知らずの身体能力に「36歳までは上昇ライン」と舌を巻く野木トレーナー。次戦は同級1位のポノムルンレック(タイ)との指名試合が有力だが、乗り切れば今回は条件面で折り合わなかった亀田興毅(亀田)との因縁対決も予想される。所属ジムの宮田博行会長は「世界ランクに入っている以上、常に候補の1人」。ファンが待ち望む好カード実現に再び展望が開けた。(奥村信哉)

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