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2008年12月23日(火) 21時32分

【政論探求】麻生さんの「気力」次第だ産経新聞

 内閣支持率は落ちる一方だが、これによって麻生政権の早期崩壊があるのかというと、どうもそういう展開にはならないと見る。要は麻生太郎首相の「気力」いかんということではないか。

 小泉純一郎元首相が「政権を投げ出すな」と激励したと伝えられるように、そこがまさにポイントだ。福田康夫前首相は民主党が「ねじれ国会」を政略的に使ったため政権運営に行き詰まって1年で退陣した。麻生首相はその轍(てつ)を踏むまいと法案の「参院たなざらし60日」を覚悟の上で、通常国会の日程を組んだ。

 1月5日に召集して、まず今年度第2次補正予算案、続いて来年度予算案を提出する。予算案は衆院通過後30日で自然成立するが、関連法案は衆院の再可決までに60日必要だ。

 だから衆院では強行採決、参院段階で民主党が審議拒否をしようと放っておく。これを貫徹できれば、両予算案の年度内成立も不可能ではなく、関連法案も5月連休明けぐらいまでには成立する。

 「話し合い解散」というのは、予算成立を担保に解散するというものだが、こうしたシナリオからは、あり得ないことになる。「100年に1度の経済危機乗り切りには予算成立最優先で臨む」という「大義」もある。

 問題はこうした荒っぽい国会運営が、衆院の3分の2の賛成での再可決を前提条件としていることだ。現在、自民・公明の与党は3分の2ラインを17人上回っている。万一、中川秀直氏やYKKKライン(山崎拓、加藤紘一、亀井静香、菅直人各氏)の動きなどによって、自民党から17人以上の離党者が出ると、その前提が根底から崩れる。

 「新党」結成は、年内に旗揚げしないとあまり意味がない。1月1日現在の勢力で政党助成金が配分されるからだ。

 あと1週間で今年も終わりだが、最後に特大サプライズが出るのかどうか。水面下ではあれこれ多数派工作が進行中のようだが、17人以上の規模となれば、まず困難だろう。総選挙後のキャスチングボートを握ろうとする布石とみていたほうがよさそうだ。

 総選挙時期について、公明党は7月の都議選との切り離しを求めているが、自民党としては、4月のミニ統一地方選、あるいは都議選とのダブル選挙もあり得ると揺さぶることもできる。都議選後となれば、9月には衆院の任期満了がやってくる。麻生首相としてはそこまでの解散先送りも視野に入っていよう。そのくらいの「したたかさ」がなければ、この未曾有の政局は乗り切れまい。(客員編集委員 花岡信昭)

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