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2008年12月23日(火) 18時48分

ソマリア沖へ艦艇派遣の中国、国際貢献を強調読売新聞

 【北京=佐伯聡士】中国人民解放軍の肖新年・海軍副参謀長は23日、海賊事件が多発しているアデン湾などソマリア沖海域に海軍艦艇を派遣する計画について記者会見し、「派遣は国連決議に基づき実施され、中国政府が国際義務を積極的に履行していることを表し、(国際社会の)責任ある大国の姿を示すものだ」と述べ、国際貢献を強調した。

 ただ、遠洋作戦能力の向上につなげたい狙いもあり、外洋海軍に向けた一歩を踏み出す動きとの見方も出ている。

 肖副参謀長は、今月26日に海南島・三亜から出航する艦艇が、南海艦隊所属のミサイル駆逐艦「海口号」と「武漢号」、総合補給艦「微山湖号」の3隻であることを明らかにした。自国船舶のほか、人道支援物資を運ぶ国際機関の船舶護衛が主要任務で、海賊の攻撃に対抗するため、ヘリ2機と特殊部隊要員も投入する。

 外交筋によると、長射程の対空ミサイルを搭載した「海口号」は「中国版イージス艦」とされる同艦隊の目玉艦。中射程ミサイル搭載の「武漢号」や大型補給艦と組み合わせた作戦を行うことで、将来的な外洋海軍に欠かせない作戦能力を磨く思惑があるとみられる。

 ソマリア沖海域では、25〜30の海賊組織、約1000人の海賊が活動中で、中国船は今年、すでに7回襲撃されている。11月には、日本人船長の乗った中国のマグロ漁船が海賊に乗っ取られ、未解決のままだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081223-00000021-yom-int