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2008年12月23日(火) 00時43分

制服組の権限を強化 防衛省組織改革産経新聞

 防衛省は22日、「防衛省組織改革に関する基本的考え方」を決定した。内部部局(背広組)と陸海空の幕僚監部(制服組)に分かれている防衛力整備部門は統合の上、新たな局を内局に設置。部隊運用(作戦)を内局の所掌事務から外し、自衛官中心の統合幕僚監部が全責任を負うことも明記した。田母神俊雄前航空幕僚長の論文問題は「隊員の教育・管理など個別施策で対応すべき問題」(防衛省幹部)と位置づけ、組織の変更は盛り込まなかった。

 基本的考え方は、首相官邸に設置された防衛省改革会議の最終報告を踏まえ、同省が平成22年度に実施する組織改革の細部をまとめたもの。同省は22年の通常国会に関連法案を提出する方針だ。当初は10月末に発表予定だったが、田母神氏の問題が出て作業が長期間中断していた。結局、「今後、前空幕長に関する事案も踏まえつつ省内の検討作業を推進」との一文を追加しただけで、制服組の権限強化を目指す原案をそのまま踏襲した。

 これにより、最終報告で設置先が未定だった統合後の防衛力整備部門は内局に置くことが決定。本省の内局に制服組が多数を占める局が初めて誕生する。新局の業務は(1)年度予算の編成・執行(2)主要部隊、主要装備、研究開発、自衛官定数などの整備構想・計画の策定−などとなり、膨大な権限を有する。

 自衛隊の運用でも内局の運用企画局を廃止して統幕に一元化。内局が保持していた自衛隊の行動に関する所掌事務はなくなる。また、内局の防衛政策局を機能強化し、官邸がまとめる安全保障戦略のたたき台となる中長期的な防衛戦略(仮称)を策定させることを盛り込んだ。防衛省は25日に開かれる官邸の防衛省改革会議に基本的考え方を報告する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081223-00000505-san-pol