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2008年12月22日(月) 19時42分

<コンビニ>タスポ効果 売上高で百貨店抜くのが確実に毎日新聞

 日本フランチャイズチェーン協会が22日発表した11月の全国主要コンビニの売上高は6577億円で、既存店ベースでは前年同月比7.4%増と7カ月連続で前年実績を上回った。たばこ自販機用成人識別カード「タスポ」を持たない喫煙者がたばこを買いに来店するケースが増えた「タスポ効果」で販売好調が続いており、08年の年間売上高は衣料品などの販売不振に苦しむ百貨店を初めて上回ることが確実となった。

 タスポ効果で缶コーヒーなどを「ついで買い」する人も多く、弁当なども堅調で、1〜11月の主要コンビニの売上高は計7兆1545億円。12月が前年並みにとどまっても年間売上高は7兆8000億円程度になる見込みで、既存店ベースの売上高も9年ぶりに前年実績を上回りそうだ。

 一方、日本百貨店協会によると、1〜11月の全国百貨店売上高は6兆5865億円。消費の冷え込みで主力の婦人服や宝飾品などの販売低迷は深刻化しており、12月が前年並みでも年間売上高は約7兆4600億円にとどまる。既存店ベースでは12年連続で前年割れとなりそうだ。

 少子高齢化で市場が縮小しているのに品ぞろえをテナントまかせにしている百貨店も多く、ショッピングセンターや衣料専門店との競争で苦戦が続く。販売時点情報管理(POS)システムを早期に導入し売れ筋商品の品ぞろえに努めたコンビニとは対照的だ。

 百貨店側も「これまでのビジネスモデルが成り立たなくなった」(J・フロントリテイリングの奥田務社長)との危機感から、自社企画の割安な衣料品などの販売に取り組んでいるが、新たなビジネスモデルの構築にはまだ時間がかかる。

 一方、日本チェーンストア協会が22日発表した11月の全国主要スーパーの売上高は1兆1137億円で、既存店ベースでは前年同月比0.6%増と4カ月ぶりに前年実績を上回った。ただ、前年に比べ土日・祝日が3日多かった影響を除くと「実質的にはマイナス」(同協会)で、年間売上高も既存店ベースで12年連続の前年割れとなる可能性が高いという。【小倉祥徳】

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081222-00000076-mai-bus_all