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2008年12月22日(月) 10時58分

<犯罪対策行動計画>治安回復に地域の力を活用 財政支援も毎日新聞

 政府の犯罪対策閣僚会議は22日、今後5年間の指針となる「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」を決めた。治安回復のために警察の捜査力の強化だけではなく「希薄化した地域の連帯や家族のきずなを再生するなど社会環境の整備が必要」として、地域社会の力を活用することを強く打ち出している。

 刑法犯認知件数は02年に285万件と過去最多を記録。それをきっかけに犯罪対策閣僚会議が03年12月、行動計画を策定した。この間、刑法犯認知件数は5年連続で減少し、07年は191万件。だが、6月の東京・秋葉原の無差別殺傷事件など凶悪事件が相次ぎ、国民の不安が解消されていないとして、改めて行動計画を策定した。

 計画では(1)身近な犯罪に強い社会の構築(2)犯罪者を生まない社会の構築(3)国際化への対応(4)犯罪組織等反社会勢力への対策(5)安全なサイバー空間の構築(6)テロの脅威等への対応(7)治安再生のための基盤整備−−の7項目を重点課題として掲げた。

 具体策としては、自治会などを母体とした全国の自主防犯団体(約3万7000団体、07年末)に対し、パトロール備品代を支給するなど財政面で支援する。さらに、地域社会を防犯活動だけではなく、出所者の社会復帰支援の受け皿としても位置づけ、保護司の活動拠点作りや自立支援センター作りに関係省庁や地方自治体が積極的に取り組む。

 また、総務・法務省が来年の通常国会にも関連法案の提出を検討している外国人を対象にした住民票制度に合わせ、生活情報の提供の仕組みや交流の場作りなど、外国人との共生を促す施策の実施も盛り込んだ。【河嶋浩司】

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