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2008年12月22日(月) 03時02分

少女救出詐欺の容疑者「豪遊のため。悪いと思わなかった」読売新聞

 大阪府熊取町で2003年5月に行方不明になった吉川友梨さん(14)の救出をかたった詐欺事件で、無職中谷浩気容疑者(39)(逮捕)が府警の調べに対し、詐取を続けた4年以上の間、「(友梨さんの家族に)申し訳ないとは思わなかった」と供述していることがわかった。

 事件を起こすまでは路上で暮らすなどしていたが、だまし取った金で高級ホテルに長期滞在したり、ギャンブルを繰り返したりしており、「豪遊を続けるため、詐欺を繰り返した」とも供述。事件の卑劣さが改めて明らかになった。

 捜査関係者によると、中谷容疑者は逮捕容疑となった04年7月の10万円以降、今秋まで友梨さんの父親(48)から約470回にわたり、計6800万円以上をだまし取った、とされる。中谷容疑者は前妻との間に子供もいるが、娘の無事を願う親の心情につけ込んだ犯行について、調べには罪悪感はなかったとし、現在まで謝罪の言葉もないという。

 中谷容疑者は、共犯の同川上佳代容疑者(38)(同)とともに04年7月頃まで路上生活をしていたが、同月、友梨さん発見につながる情報提供者に、父親が「謝礼金200万円を出す」と発表。これを報道で知った中谷容疑者が、川上容疑者に計画を持ちかけ、父親から金をだまし取っていったという。

 2人は、同月から約2年間、府内の高級ホテルに滞在。パチンコ店や競艇場に頻繁に出かけていたこともわかっているが、中谷容疑者は「生活費もままならない、苦しい生活には絶対に戻りたくなかった。だから、だまし続けた」と供述している。

 一方、川上容疑者は、「(中谷容疑者が友梨さんの父親から)金を受け取っていたのは知っているが、どう使っていたのかは知らない」と、逮捕当初から否認の姿勢を変えていない。府警は、川上容疑者がどのように関与していたかなどを詳しく調べている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081222-00000001-yom-soci