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2008年12月22日(月) 02時33分

<北朝鮮>輸入車関税100%に 市民の車所有はほぼ絶望的毎日新聞

 【北京・西岡省二】北朝鮮当局が今年10月1日から、外国産乗用車の輸入関税率を約30%から一気に100%まで引き上げていたことが、同国の経済関係者の話で分かった。国内産業の育成が目的とされ、既に中古車の輸入も禁止されている。国産車生産が滞る中での「外国産シャットアウト」で、富裕層を含めた市民の乗用車所有はほぼ絶望的になったという。経済関係者からは「『朝鮮人民は歩け』と言っているようなものだ」との反発が出ている。

 関係者によると、関税率100%措置は「朝鮮労働党機関や特殊機関を含めて例外なく納税」と規定している。北朝鮮との合弁企業を経営する外国人が、北朝鮮側に乗用車を送る場合も同率の税金が課せられるという。

 韓国側資料によると、北朝鮮の自動車産業は、エネルギー不足などから工場稼働率が10%程度といわれ、年間生産台数は4000〜5000台。うち乗用車の生産は主に、韓国の世界基督教統一神霊協会(統一教会)系「平和自動車」と北朝鮮の合弁工場が手がけているが、手作業が多く、生産台数は年間数百台程度といわれる。

 北朝鮮国内を走る自動車は総計30万台程度とされ、大半が老朽化したトラックという。昨秋には右ハンドル車の使用が制限される一方、中古車輸入も禁止。今夏は日本車使用が禁じられるなど、国内を走る乗用車は激減したとされる。

 北朝鮮の経済関係者は「実質的に平和自動車の保護措置といえるが、これでは国内の富裕層でさえ、車を所有できなくなった」と話している。

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