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2008年12月22日(月) 15時44分

政府、景気判断を「悪化」に下方修正…12月月例経済報告スポーツ報知

 政府は22日、12月の月例経済報告で景気の基調判断を「悪化している」とし、前月の「弱まっている」から下方修正した。基調判断に「悪化」を使うのは、ITバブル崩壊後の2002年2月以来、6年10か月ぶり。世界的な景気後退で輸出や生産が減少し、雇用削減の動きが広がっていることに危機感を示した。基調判断の下方修正は3か月連続となり、今年に入って7度目。

 政府は09年度予算の財務省原案で、政策経費である一般歳出を大幅に拡大し、日銀も19日に利下げを実施するなど、急速に悪化する景気の下支えに懸命だ。ただ欧米や新興国で景気が一段と悪化すれば、日本国内の景気後退が長期化する恐れもある。

 与謝野馨経済財政担当相は22日の記者会見で「当面、日本経済は悪化が続き、減産や雇用調整が広がる懸念がある。あらゆる政策手段を動員し、景気の底割れを防ぐことが大事だ」と述べ、2008年度補正予算や09年度予算を早期に成立させ、景気を下支えしたい意向を示した。

 今回の景気判断の材料となる主要項目では、輸出が2か月連続で「減少」。米国やアジア向けの自動車や家電製品の輸出が減って生産が落ち込み、企業収益を圧迫した。このため生産と企業収益はそれぞれ「減少」から「大幅に減少」に変更したほか、設備投資も「弱含んでいる」から「減少している」に3か月ぶりに下方修正した。

 雇用は「悪化しつつある」から「急速に悪化しつつある」と判断。輸出減少などに伴う企業収益の悪化で、非正規労働者の解雇など雇用情勢に悪影響が及んでいる実態を反映させた。月例報告では「急速な(企業の)減産の動きが雇用の大幅な調整につながることが懸念される」と指摘。ただ個人消費は「おおむね横ばい」とした。

 国内景気の先行きについては「当面悪化が続くとみられる」と予測。世界的な金融危機の深刻化や実体経済の悪化が、景気の一段の下振れにつながる要因に挙げた。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081222-OHT1T00201.htm