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2008年12月22日(月) 23時01分

骨髄移植、来年2〜3月困難に 米社製の手術キット不足産経新聞

 白血病など重い血液病の治療方法である「骨髄移植」が、来年2月から3月にかけ一時的に実施できなくなる可能性が出ている。多くの移植手術で使われている米バクスター社製の医療器具が、新工場の稼働開始遅れが理由で、世界的に供給されないため。連絡を受けた厚生労働省は22日、国内の在庫数確認や、代替製品の輸入が可能かなど対策の協議に入った。

 バクスター社の説明によると、供給が一時的に途絶えるのは「ボーンマロウコレクションキット」と呼ばれる骨髄採取製品。独自に開発した濾過(ろか)装置を使うことで、採取した骨髄液中にある不必要な成分を容易に取り除くことができるため、9割以上(月平均で約150例)の骨髄移植手術で使われている。

 昨年3月にバクスター社が同製品の製造部門を売却。来年1月から、同製品の製造は米フェンオールインク社が行うことになった。しかし、フェンオールインク社がドミニカ共和国に新築中の新工場の安全承認が遅れ、稼働時期が当初予定の来年1月から、3月にずれ込むことになった。

 厚労省では、(1)国内の医療機関にある在庫数を確認し、在庫が多い施設から必要としている施設に融通する(2)手間がかかるといったデメリットはあるが製品を使わない旧式の濾過方法を採用する(3)現在、輸入承認がない米国で使われている他社製品を緊急輸入する−など対応策の検討に入った。

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