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2008年12月22日(月) 22時02分

<重要課題推進枠>首相主導を演出…配分効率化、疑問も毎日新聞

 麻生太郎首相は22日、09年度予算編成の「重要課題推進枠」(3330億円)の配分先を決め「官邸主導の予算編成」をアピールした。ただ、医師不足や雇用対策など社会保障分野の予算上積み(計775億円)は、20日の財務省原案段階で本来、確保されるべきもの。わざわざ首相主導演出のために“取り置いた”感もぬぐえない。

 首相は「地域活性化」に675億円、「食料自給力向上」に630億円などを追加計上した。しかし、次期総選挙をにらんだ地方や農村対策の色合いがにじむ政策も多い。予算編成にメリハリをつける推進枠の本来の機能が十分発揮されたとは言い難く、過去の首相特別枠と同様に予算配分の効率化にはつながらなかった。

 一方、公共事業費は、追加計上分を含めても前年度比5.2%減と、形式上は「骨太の方針06」以来続けてきた同3%減より削減幅が大きくなった。だが、09年度予算では麻生首相の政治決断で機動的な追加景気対策を実施する原資として「経済緊急対応予備費」(1兆円)が盛り込まれている。今後、これが公共事業に回る可能性が高いとみられ、かつての首相特別枠と同様、公共事業の大幅積み増しが実施される見通しだ。【清水憲司】

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