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2008年12月22日(月) 00時39分

田母神氏問題協議へ 政府、25日にも有識者会議中国新聞

 政府は二十一日、田母神俊雄前航空幕僚長が歴史認識に関し政府見解と異なる論文を発表したことでシビリアンコントロール(文民統制)の緩みが指摘されていることを受け、官邸に設置された「防衛省改革に関する有識者会議」を二十五日にも開き、幹部自衛官の教育の在り方見直しなどについて協議する方針を固めた。

 有識者会議は、守屋武昌前事務次官の汚職事件やイージス艦の衝突事故など一連の不祥事を受け、背広組と制服組の混成化など防衛省の組織再編を柱とする最終報告書を七月にまとめた。しかし田母神氏の問題が発生したことで「自衛隊は文民統制を内面化した」と文民統制の定着を評価した最終報告書には疑問符が付けられる事態となっている。

 田母神氏は統合幕僚学校長時代の二〇〇三年度に「歴史観・国家観」の講座を新設し「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーら自身の歴史認識に近い外部講師を招いていたことが判明。その後も恒常的に同じ講師が講義し「偏向した教育が実施され、田母神氏と同じ歴史認識が浸透している可能性がある」と批判を浴びた。

 教育問題をめぐっては、浜田靖一防衛相が既に「歴史観・国家観」の講座廃止を含む検討を表明。斎藤隆統合幕僚長も不適切だったことを認め、見直しの必要性に言及している。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812210179.html