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2008年12月22日(月) 21時25分

“オール・イングリッシュ”の授業可能? 「語学力格差」不安視も 新指導要領産経新聞

 22日に公表された新しい高校学習指導要領案。英語は教員が英語で指導することが盛り込まれた。全国の高校で、“オール・イングリッシュ”の英語授業は可能なのか。すでに先行実施されている英語教育の重点校「スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール」(SELHi)からは「生徒は十分順応できた」との声もあがる半面、英語教員の「語学力格差」を心配する声も出ている。

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 「『案ずるより生むがやすし』。それほど高いハードルではなかった」。平成18年度にSELHiに指定され、英語の授業を原則英語だけで行う大阪府立寝屋川高校の秦寿孝校長は、こう手応えを語る。

 寝屋川高校では、文法事項の解説など一部の時間以外は英語で授業を行っているが、「こちらの懸念が無用なくらい、生徒たちの順応力は高かった」(秦校長)。3年目を迎え、模擬試験の英語の成績が全国平均を大きく上回るなどの成果も出ているという。

 ただ、英語での授業が指導要領に盛り込まれた後に、こうした成功例ばかりが出てくるとはかぎらない。

 府教育委員会高等学校課は「かたくなに日本語で教えてきた先生方は『ついに来たか…』と思っているかもしれない」と懸念する。

 元公立高校教員で、現場教職員らの相談に応じる団体「教師駆け込み寺・大阪」を主宰する下橋邦彦さん(69)も「英語教員の中の語学力の差は意外に大きい」と指摘する。「学生時代から英語のサークルに打ち込み教員になる人もいれば、どうしてもテープに頼って授業をしてしまう人もいる。『英語授業力』を段階的に上げ、徐々に定着させるようにしなければ、現場が混乱してしまうのではないか。英語が苦手な生徒にとって、ちんぷんかんぷんな授業にならないかも心配だ」と話していた。

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