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2008年12月22日(月) 21時16分

<元次官宅襲撃>小泉容疑者を鑑定留置…精神状態を究明毎日新聞

 元厚生事務次官宅の連続襲撃事件で、さいたま地検は22日、殺人容疑などで送検された小泉毅容疑者(46)の刑事責任能力の有無を判断するため、さいたま地裁に鑑定留置を請求し、認められた。期間は09年3月23日までの約3カ月。取り調べを一時停止し、専門医が小泉容疑者の事件当時の精神状態などを調べる。

 小泉容疑者は11月17〜18日、さいたま市の山口剛彦さん(66)と妻美知子さん(61)を刺殺し、東京都中野区で吉原健二さん(76)の妻靖子さん(72)に重傷を負わせた疑いで逮捕された。

 警視庁と埼玉県警の合同捜査本部によると、小泉容疑者は事前に国立国会図書館で元次官らの住所を調べ、レンタカー5台を使い分けるなど綿密に計画を練っていた形跡がうかがえる。事件の状況を具体的に供述していることなどからも、刑事責任能力に問題はないとみている。

 しかし、取り調べに「34年前、保健所に処分された愛犬の仇(あだ)討ち」と常識的には理解しがたい供述をしており、さいたま地検は公判で刑事責任能力について争われる可能性があることや事件の重大性を考慮し、起訴前に本格的な精神鑑定をすることにした。

 これまでの調べで、小泉容疑者は約8年前に東京都内のコンピューター関連会社を辞めて以降、定職に就かなかったことが判明している。退職時約1000万円の貯金があったが、襲撃を決意したとされる昨年9月ごろ、株取引の度重なる失敗などで借金生活に陥った。11月22日の出頭時は借金が500万円近くに膨らんでいた。この間、社会との接点はほとんどなかったという。【山崎征克、小泉大士、飼手勇介】

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