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2008年12月22日(月) 21時02分

全身9割やけどの5歳児、自身の細胞で皮膚培養・移植成功読売新聞

 愛知医大(愛知県長久手町)は22日、全身の92%に重度のやけどを負った愛知県内の男児(5)に、患者自身の細胞を培養して作った「自家培養表皮」の移植手術を実施し、成功したと発表した。

 同大によると、厚生労働省が承認した自家培養表皮移植は国内で初めてで、「重傷やけど患者への移植成功は、世界的にもまれではないか」としている。

 同大によると、男児は正常な状態の自分の皮膚がほとんど確保できない状態だったため、自家培養を行い、今年8月と10月の2回、10センチ×8センチの大きさの自家培養表皮計60枚を、胸や腹部、腕や足、背中などに移植する手術を受けた。男児はほかにも6回の手術を受け、現在は回復に向かっているという。

 60枚の培養表皮は、手術当時は保険適用が認められていなかったため、製造元の再生医療関連ベンチャー企業「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング」(愛知県蒲郡市)が無償で提供した。

 同社の自家培養表皮は昨年10月に製造が承認され、来年1月から医療保険の対象になることが決まった。同大は「今後も革新的な技術を積極的に取り入れ、医療の発展に貢献していきたい」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081222-00000057-yom-sci