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2008年12月22日(月) 21時00分

<キヤノン>派遣6人、正社員要求…宇都宮の事業所毎日新聞

 キヤノン(本社・東京都大田区)の非正規労働者で作る「キヤノン非正規労働組合」は22日、同社宇都宮光学機器事業所(宇都宮市)で働く組合員6人の正社員としての地位確認と、団体交渉の改善などを求め、東京都労働委員会に救済を申し立てた。6人は事業所の偽装請負を告発したメンバー。期間労働者として働く1人が期間満了を理由に契約解除(雇い止め)されており、「告発への報復だ」と主張している。

 請負契約で人材会社から派遣された6人は06年10月、実際にはキヤノンの指揮命令下で働かされていたと「偽装請負」を告発した。栃木労働局は07年、同労組宇都宮支部(大野秀之支部長)の組合員の労働実態について「派遣」と認定、キヤノンに是正指導した。

 申立書などによると、支部の組合員は07年10月から有期契約で直接雇用され、1回契約を更新。しかし、2度目の更新時の今年8月末、6人のうちの1人が雇い止めとなった。

 組合は6人の正社員としての地位確認を求める一方、会社側が偽装請負に関する団交を拒否したり、労使協議で正社員組合と差別的な扱いをしたりしていると主張し、救済を求めている。代理人の笹山尚人弁護士は「6人は、会社が偽装請負の是正をした昨年10月から正社員になってしかるべきだ。告発への報復を許さないためにも正社員の地位確認を求める」と話している。

 キヤノン広報は「申立書を受け取っておらず、コメントできない」としている。

 雇い止めになった組合員は10月、キヤノンに対し地位保全と月約28万円の賃金支払いを求める仮処分を東京地裁に申し立てている。【東海林智】

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