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2008年12月22日(月) 20時36分

NHK経営委員長に選出された小丸成洋さん(58)産経新聞

 「4年半にわたる経営委員としての経験を生かして少しでもお役に立ちたい。重い責任を感じている」。22日、経営委員会後の会見で、委員長に選出された心境を緊張気味に語った。

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 現委員(9人)の中で最も古株。福山通運(本社・広島県福山市)の社長という経営の手腕と、委員としての経験の長さが買われた形だ。

 放送法という“傘”の下、視聴者からの受信料で成り立つNHKの恵まれた経営環境について、「普通の民間企業は生活が毎日大変。(NHKは)もっと真摯(しんし)に受け止めないといけない」と委員会の席でも厳しく指摘してきた。

 今後は、NHK史上初の受信料値下げを盛り込んだ、次期経営計画(21年度から3カ年)の着実な履行を執行部に求めていくことになる。

 「厳しい経済環境。わたしどもの会社もそう。しかし任命をうけた以上はまっとうしなければならない。優秀な職員がいかに仕事をやりやすい環境をつくるか。労使一体とならないと、この3カ年計画は達成できない」と話す。

 経営とともに、交通安全への関心が高く、「知っておきたいドライバー心理の落とし穴」などの共著が複数ある。

 心に残る番組としてNHKの「ETV特集」を挙げ、「さまざまな分野からテーマが取り上げられ、特定の利益や視聴率に左右されない公共放送だからこその番組」と評価する。また民放でお気に入りなのがアニメ「サザエさん」(フジテレビ系)で、「現代日本が見失っている家庭教育や親子関係のあるべき姿が表れている」とする。好きな言葉は「耐えて、和して、前進」「驕(おご)らず、謙虚に」。その手腕が公共放送で試される。

      ◇

 こまる・しげひろ 日大生産工学部卒。昭和49年福山通運に入社。常務、専務を経て、平成9年から現職。58歳。広島県出身。平成16年6月に中国地区代表としてNHK経営委員に就任。

(草下健夫)

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