記事登録
2008年12月22日(月) 20時24分

モーターファン大事に…トヨタ、営業赤字でもF1撤退せず読売新聞

 トヨタはF1から撤退せず−−。1500億円の営業赤字を出す見通しとなったトヨタは22日、経費を削減しながらも、自動車レースの最高峰、F1世界選手権に継続参戦することを表明した。

 同社と渡辺捷昭社長が記者会見で明言した。国内外で行っている他のモータースポーツ活動も予定通り続ける方針という。

 自動車業界を襲った急激な業績悪化の中で、12月に入って、ホンダがF1世界選手権から、スズキとスバル(富士重工)が世界ラリー選手権(WRC)から、それぞれ今季限りでの撤退を明らかにした。トヨタも2009年3月期の決算が営業赤字に転落する見通しとなったことで、モータースポーツ活動の継続について懸念が出ていた。

 渡辺社長は「モータースポーツに大変に関心のある人が世界に大勢おり、大事にしていきたい」とF1活動継続を説明したうえで、「現在の(予算)レベルでやっていくのは大変に厳しい」と話し、大胆な予算カットもやむを得ないとの認識も示した。

 トヨタはチーム参戦するとともに、中嶋一貴の所属するウィリアムズ・チームにエンジンを供給してきた。08年の予算は、「トップチームの平均に近いところ」(チーム首脳)といい、年間400億円程度と推定されている。今季終了後、国際自動車連盟(FIA)とチーム団体とで、約30%の経費削減を伴う技術、運営面の規則改正で合意しているが、トヨタはさらに独自の経費削減を行う。

 また、米国で参戦している市販車ベースの人気シリーズ、NASCAR(ナスカー)や国内のフォーミュラニッポン、スーパーGT選手権などについても、「現在、参戦中のシリーズは基本的に活動を継続する」(トヨタ・モータースポーツ推進室)としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081222-00000051-yom-spo