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2008年12月22日(月) 20時16分

<ロシア>大統領の任期延長承認 プーチン氏再登板へ布石か毎日新聞

 【モスクワ大前仁】ロシア大統領の任期を4年から6年に延長する憲法改正法案について、同国上院は22日、83ある地方議会すべてが賛成したことを確認したうえで、全会一致で承認した。タス通信などが報じた。プーチン首相の大統領再登板への布石との見方もある憲法改正は所定の手続きをすべて終え、今後、メドベージェフ大統領が署名し、早ければ年内にも発効する。

 法案は下院議員任期の4年から5年への延長など、議会の権限強化に関する条項も盛り込まれている。大統領と下院議員の任期延長は、次回の選挙後に適用される。

 任期延長についてメドベージェフ大統領は、「民主体制の強化と安定の維持が目的」と主張する。しかし大統領府が法案を提出してから、約40日で通過するスピード採決となり、有力野党不在の「翼賛体制」の現状を映し出した。このまま野党不在が続けば、任期が延長される大統領の権限が強まることは避けられない。

 大統領府が任期延長を急いだ背景には、経済危機悪化を恐れ、プーチン氏の「再登板」に備えているとの見方がある。しかし今月に入り、極東ウラジオストクで輸入車の関税値上げに反対する抗議集会が続けて開かれ、「プーチン退陣」を求める声も上がった。政権の思惑とは裏腹に、国民の間でプーチン氏の「神通力」が陰りを見せ始めている。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081222-00000084-mai-int