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2008年12月21日(日) 08時02分

大相撲、ロンドン公演中止 収入、普及に大きな痛手産経新聞

 ロンドン公演の中止は、来年10月の巡業収入に狂いが生じかねないだけでなく、欧州勢の躍進によって現地で高まる相撲熱に拍車をかける狙いも外れてしまった。

 例年10月は国内巡業が行われ、今年も12日から26日にかけて13日間の日程が組まれた。巡業は平日850万円、土日祝日900万円で勧進元に売られるため、今年の収入は1億円を超える。来年はロンドン公演最優先だったため、ぽっかりと空いてしまう日程に国内巡業を組み込んで収入を確保できるかは不透明だ。

 また、ロンドン公演は平成3年以来で、巡業を含めた欧州での興行も7年のウィーン、パリ公演以来になるはずだった。欧州出身の関取がいなかった当時とは違い、現在はブルガリア出身の大関琴欧洲やエストニア出身の関脇把瑠都ら上位力士も珍しくない。

 欧州初の関取であるグルジア出身の黒海が「相撲はヨーロッパでもテレビで見られるようになって身近になった」と話すように、相撲人気も当時とは比較にならないほど高い。

 協会関係者も「ロンドン公演が相撲普及の起爆剤になれば」と話していた直後の中止だけに、ショックは少なくない。(奥山次郎)

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