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2008年12月21日(日) 00時14分

三笠フーズ社長ら立件へ 来月中にも 大阪、福岡、熊本の3府県警産経新聞

 大阪市北区の米粉加工会社「三笠フーズ」(破産手続き中)による事故米の不正転売事件で、大阪、福岡、熊本の3府県警の合同捜査本部は20日、同社の冬木三男社長(73)ら数人を食品衛生法違反(有害物質の販売)と不正競争防止法違反(虚偽表示)の両容疑で早ければ来年1月中にも立件する方針を固めた。さらに、詐欺容疑での立件も視野に、詰めの捜査を急いでいる。

 事故米に混入していた農薬「メタミドホス」については、日本では平成18年5月に残留基準値(0・01ppm)が設けられたが、捜査本部の調べによると、同社は同年11月以降、政府から基準値以上のメタミドホスを含む事故米計約800トンを購入。ペーパーカンパニーを間に入れた伝票だけの取引を繰り返して買い戻したうえで、「食用」として転売していた疑いがもたれている。

 同社は14年ごろからすでにカビ毒に汚染された事故米を転売。政府からは1キロを10円未満で買い取り、最終的には125円前後でさばいていた。

 農林水産省の調査によると、同社が卸した米の流通先は約400業者にものぼり、この中には病院や学校の給食の納入業者も含まれていた。

 さらに同社は殺虫剤「アセタミプリド」が残留するベトナム産の事故米を、国産米に偽装して酒造会社に販売。今年1〜5月に約32トンを卸し、三笠フーズのグループ会社が偽の産地証明書まで送付していた。

 一連の事件では、九州工場の責任者だった宮崎一雄元非常勤顧問(76)と息子の宮崎雄三営業課長(49)が米の帳簿類を管理。冬木社長の指示で不正転売の実務を取り仕切っていたとみられている。

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